【終了】10月29日は世界乾癬デー 「乾癬のこと知ってほしい」

 2004年,国際的な乾癬患者団体連合であるInternational Federation of Psoriasis Associationsは全世界1億2,500万人の乾癬患者へ捧げる日として毎年10月29日を世界乾癬デー(World Psoriasis Day)としました。この日には乾癬という疾患の認知度向上のための様々なキャンペーンやイベントが世界各地で開催されます。
2017年10月29日、日本でも初めて患者による世界乾癬デーイベントを開催することになりました。

乾癬のこと知ってほしい

 皆さんは、乾癬という病気を知っていますか?

乾癬は,銀白色の鱗屑(かさぶた)と紅斑(赤み)を伴う皮疹を特徴とする免疫介在性の炎症性角化性の皮膚疾患です。
皮膚が赤くなったかと思うと皮膚の細胞が異常に増殖し、かさぶたのようになり、やがて銀白色の皮が何層にも重なり合うように盛り上がりボロボロと鱗屑がはがれ落ちてきます。

 かゆみを伴い全身がかさぶたで覆われるほど悪化することもあります。
感染症ではありませんのでうつることはありませんが現時点で根治治療法はありません。
最近の研究では皮膚症状だけでなく関節炎や糖尿病、循環器系疾患などの身体疾患,さらにはうつ病などの精神疾患を合併するリスクも高いと言われています。

 乾癬患者の中には一生治らない病気と言われて治療をあきらめて引きこもったり,結婚や出産、やりたい仕事をあきらめるなど、乾癬に関する誤解や偏見のために社会から疎外されて孤立する人も少なくありません。
乾癬は身体的なダメージだけではなく、深刻な心理的、社会的な影響も受ける疾患なのです。現在、日本には50万人以上*)の乾癬患者がいると推計されています。

世界乾癬デーの目的とは

 全国にある乾癬の患者会では乾癬という疾患とその治療やケアに関する正しい知識の普及・啓発や患者同士の交流などを目的とした活動を行っていますが,広い目で見ると日本ではまだまだ乾癬の認知度が低いのが現状です。今後はさらに社会に向けて認知度を高め多くの方に乾癬を知っていただくことが重要な課題であると思っています。

 そこで私たち全国の乾癬患者会有志はINSPIRE JAPAN WPDプロジェクトを立ち上げ,
世界乾癬デーを契機に乾癬の啓発をし、多くの患者さんとつながり、情報とつながり適切な治療へとつなげてまいりたいと思っています。

 日本のランドマークである東京タワーで多くの方に乾癬という病気を知っていただき、さらにたくさんの患者仲間とつながることができたら幸いです。

INSPIRE JAPAN WPD プロジェクト

*) 照井正,中川秀己,江藤隆史,小澤明:健康保険組合レセプト情報を利用した乾癬の実態調査.臨床医薬,30(3):279-285,2014

 

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